凱旋門賞への挑戦について

個人的な意見を。どちらかというと批判的なので嫌な人は見ないで!

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2022年凱旋門賞の感想

レース前にコース映像見ただけで、やっぱりこのレースに出るのはおかしいよなと思いました。パッと見でわかるレベルのデコボコの上に、芝がもっさもさに生えていて、日本馬はこんなところで走る前提で生まれても調教されてもいないぞと。

もちろん日本馬が出るからには応援しながらレース観戦しましたが、タイトルホルダーだけが直線まで競馬してましたけど、他は参加すらできなかったですね。フォルスストレートの入り口で最後方のドウデュースが手綱しごきながらズルズル下がっていって、ムチまで1発入れてそれでも下がっていって。かねてから凱旋門賞挑戦に批判的だった私は、日本ダービー馬の惨めな姿を見せつけられて、なんだかすごく虚しくなりました。

レースを改めて見直してみると、もう欧州馬と日本馬では走り方からして違います。わかりやすいのがタイトルホルダーとアルピニスタの比較。タイトルホルダーは道中、すごい力んで走っているのがわかります。あの馬場で滑らないように、且つスピードを維持するために必死なんだと思います。アルピニスタに目を移すと、自然体で駆けている印象であまり力感がありません。結局タイトルホルダーの驚異的なスタミナが、あのような走り方でも直線入り口まではどうにか走らせていただけで、あそこから更に伸びるということはありませんでした。道中からすでにMAXスピード状態だったのだと思います。ドウデュースはもっとひどくてノメリっぱなしで、解説しようがないレベルの走りでした。

もう凱旋門賞はいいと思う

※大前提としてレース選択は馬主が行うものなので、以下は単なる1競馬ファンの愚痴です。

凱旋門賞挑戦には以前より賛否両論ありましたが、今回は日本馬のあまりの不甲斐なさから「否」の意見が特に目立つ印象です。元騎手の方たちからも、凱旋門賞はもういいんじゃないかという声が上がっているようです。

日本競馬と欧州競馬は「芝の上で馬が走る」という意味では同じですが、もはや全く別の競技と言っても過言ではないと思います。その違いは「将棋とチェス」や「卓球とテニス」というレベル。日本で将棋タイトルを取った強豪棋士を外国で行われるチェスの大会に送り出し、ボロ負けする様子を見て「やっぱりコマの動かし方が違うからなー」とくやしがる。なんだか意味の分からない状態ですが、私からは凱旋門賞挑戦はこれと同じに見えます。

フォレ賞では、日本国内でリステッドレース勝ちしかないエントシャイデンが2年連続3着となりました。これこそ日本競馬での成績とロンシャン競馬場での成績が結びつかない好事例で、はっきり言って欧州競馬なんてそんなもんと考えてしまったほうがみんな幸せになれると思います。

私は昔のように、日本のG1に現役の上位18頭の馬が出走して勝利を争うという状況に戻って欲しいです。歴戦の古馬たちが闘いを繰り広げる中で、秋になるとそこにクラシックを戦い抜いてきた3歳馬が合流し、世代間での闘いも始まる。そんなワクワク感がいつからか薄れてきているのが非常に残念です。日本ダービー馬が秋競馬に参戦せず凱旋門賞で醜態を晒し、帰国後そのまま調子を崩したかのように凡走続きになり、早熟だの弱メン世代だの言われ放題になってしまう、というケースが多すぎます。

一方、海外競馬に参戦して世界の馬たちと争うことは、それはそれでワクワクする話であり決して否定的ではないのですが、それは香港なりドバイなりでちゃんと日本馬が身につけている能力がまともに生かせるフィールドでやってほしいものです。もし競馬の本場にこだわるなら米国競馬に参戦すればいい話です。わざわざ欧州のレースで異種格闘技戦に挑むようなことは、建設的ではないのでしないで頂きたいものです。

でももはやG1を多数勝っているような馬主は、名誉目的なんでしょうからこれからも勝つまで凱旋門賞へ挑戦し続けるんでしょうね。でもそれならば究極のスピード争いをさせておいて、そこで頂点を極めた馬で挑むんじゃなくて、最初からスケベ心を出さずに凱旋門賞1本で挑むべきなんですよ。例えば欧州血統の良血馬を日本人が買ってフランスの小林厩舎にでも預ければいいんじゃないでしょうか。それで武豊を騎乗させればそのうち勝つでしょう。日本調教馬じゃなきゃ嫌だと言うなら、新馬戦勝った後にフランスに長期滞在すればいいと思います。金が唸るほどある方たちなので、なんでそういう手法を取らないのかが不思議でなりません。日本国内で頂点を極めた馬で凱旋門賞を勝つことに意義があるという考えならば…うーん、もうどうしようもないです。

なんか不毛な愚痴になってきたのでここらで終わりますが、最後に岡田牧雄氏インタビューを転載します。まさに私の言わんとしていることです。タイトルホルダーで狂想曲を終わらせようとして失敗してしまいましたが、岡田さんみたいな考えの方が業界で増えてくれると嬉しい限りです。

「こんなふうに言うと怒られますけれども、私はヨーロッパ競馬を重視してないんです。もう10年も前から、ヨーロッパに行くくらいなら、アメリカ競馬をもっと目指すべき、と考えてきた一人なんですよ。日本の馬にヨーロッパの馬場があわないのはハッキリしています。世界一を決める場としても、サウジやドバイやアメリカや香港、つまりスピードの裏付けを必要とするコースがふさわしいのは間違いなくて、ヨーロッパではないだろう、とずっと思っています。なのに日本では、凱旋門狂騒曲が加熱してますよね。そろそろ終止符を打つべきタイミングだと私には思えてならないのです。誰かが凱旋門賞を勝てば、騒ぎは落ち着きますから、もしかしたらその終止符を打つのは、私のようなタイプが適任なのかもしれませんね(笑)」